第4部目次
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4-2: 原子のスペクトル |
種々のガスを入れた 放電管 や, 色々な物質で作った 電極の間に高電圧をかけて 放電 させたとき放射される光は, そのガスや物質に特有の 線スペクトル を示します. 下の写真がその例です. |
スペクトルの例
太陽光線は連続スペクトル ですが,ところどころに フラウンホーファー線 という黒い吸収スペクトル が見られます. これについては 説明を省略します. 水素や水銀の線スペクトルは, この写真では 1部が見えていますが, 画質が良くないので 残念ながら 残りは はっきり見えていません. |
「バルマーの公式」
下図 は 水素のスペクトルの中で 可視部から紫外線の部分に かけて現れる バルマー系列 と 呼ばれる一群の 線スペクトルです. (水素には この他に ライマン系列, パッシェン系列, ブラケット系列 などのスペクトル線の グループが 見られます.) |
水素の線スペクトル |
上図 の
水素のスペクトル線,
α,β,γ,δ の
波長がそれぞれ
と表されることを, スイスの女学校の 教師 バルマー (スイス: 1825 - 98) が発見し, これがバルマーの公式 で表されることに 気がつきました(1885). また上図の α,β,γ,δ 以外の スペクトル線にも バルマーの公式が よく当てはまることが 分かっています. |
「リュードベリーの公式」
リュードベリー (スウェーデン) は,1890年, 水素だけでなく アルカリ元素の スペクトルに関しても, スペクトル線の波長 λ が 大変簡単な公式で 表されることを 発見しました. これが リュードベリーの公式 です.m,n は整数です. a,b は 物質ごとに,また系列ごとに 異なる値ですが, 系列内では定数です. R は リュードベリー定数 と呼ばれ, 水素に対する実験値から R = 10967776 /m が得られました. バルマーの公式も リュードベリーの公式の 特別な場合であり, a = b = 0, m = 2 とおいて と書かれます. |
これら バルマーやリュードベリーの 実験公式を, 古典論で説明することは できません. 物理学は何らかの 革命的な飛躍 を 遂げなければならなくなった ようです. |
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