「ミクロの世界」 − その2 − (量子力学入門)
エピローグ: 広がる量子力学の世界
  「ミクロの世界」−その2− のトップページ へ戻る.

  本セミナーを通して, 量子力学の 基本的な考え方を学び, その中に, 「ミクロの世界」 において遭遇した 物質粒子や光の 粒子性波動性矛盾が どのように解決され, 統一されているか を学びました.
さらにこの 二重性 があるからこそ, 水素原子をはじめとして, 全ての元素の構造が 説明できることを 学びました. 原子の 安定性 も, 原子から放射される 特定の振動数を持った 光の スペクトル も, すべて電子の波動性が あるからこそ 説明がつくのであって, 古典論では 決して 説明できませんでした.
量子力学の 建設は,人類が ギリシャ時代から 持ち続けてきた 「物質観」 をも 変革するような, 科学上 あるいは 哲学上の 大変革でした. 「変革」 と言うより, 「革命」 と言う方が ふさわしいかも わかりません. この「大革命」 が 20世紀初頭の 約30年間という 短期間に, 天才達の協力によって 成し遂げられたと いうことは, 驚嘆すべきことでした.
量子力学の 建設以後, 「量子力学の世界」 は どんどん広がりました. 20世紀初頭の もう1つの「大変革」 であった 相対性理論 と量子力学とが 結合し, 相対論的量子力学 も建設されました. 原子核 の世界や, 素粒子 の世界 へも広がり, さまざまな新しい 発見がなされました.
現在でも 量子力学の世界は 広がり,かつ深まって いると言えるでしょう. 今後,それらのテーマの 幾つかを, 本セミナーでも 取り上げて みたいものです.