第2部目次
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2-1: 原子核の種類 |
「原子核の種類」
天然には 94 種類の元素が 存在します. 人工的に作られた元素も含めて, 全ての元素は たかだか100種類くらいです. では原子核の種類の数は 元素の種類と同じでしょうか. 違います. 同じ元素でも幾種類かの 異なる 同位体 (同位元素) が存在します. 従って原子核の種類は 元素の種類の何倍にもなります. 現在までに存在が 確認されている原子核は 約 3000 種類です. それらは陽子数 Z (= 原子番号) と, 中性子数 N とによって指定されます. 後で詳しく説明するように, 原子核の質量は, 粒子数 A = Z + N にほぼ比例するので, A を質量数 といいます. 約 3000 種類の 原子核 (それぞれを核種といいます) は 原子番号 すなわち 陽子数 Z,および 中性子数 N によって指定され, という記号で表されます. ここで は元素記号 を表します. たとえば, 水素 の原子核すなわち 陽子 は , ヘリウム の原子核すなわち α粒子 は , 最も普通の窒素 の原子核は , 最も普通の鉛 の原子核は と表されます. 元素記号 の一覧表は 別のページ 2-1-A: 「元素記号表」 に示されています. 核種は元素記号と 質量数 A だけで特定できます. 元素記号が与えられれば, 「元素記号表」 を見て, 直ちに 原子番号 Z (= 陽子数) がわかります. 中性子数は N = A - Z で 決まります. 従って,「ものぐさな人」は 省略形 を使います. 例えば, 鉛 208 を と表します. これで十分なのです. |
「核図表」
2000年までに存在が実験的に 確認されている 核種は約3000種です. これらを横軸に中性子数 N, 縦軸に陽子数 Z を とった網目グラフに表示した 図表 (地図) を核図表 と呼びます. つまり核図表は,Z および N のどの範囲に 原子核が分布しているかを 示しています. (下図 参照.) 下図 の核図表において, 1つの微小な網目が1つの核種を 表し, 影の濃い網目が 存在が確認されている核種を 示しています. 影が濃いほど安定な 原子核です. 影が最も薄い部分は, 未確認ですが 理論的に存在し得ると 考えられる範囲です. 軸上の目盛数字 (2,8,20,28,50,82,126) は 魔法の数 (マジックナンバー) です.これらについては 後で詳しく説明します. 上の核図表は http://ie.lbl.gov/systematics/chart2000g.pdf から転載しました. 詳しくは 元の Web ページを 参照して下さい. |
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