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1-5: 原子の大きさ

   いろいろな実験結果から アボガドロ定数が
NA = 6.0221367 x 1023 mol -1 ≒ 6 x 1023 mol -1
であることが わかってきました.
 金属のような 固体中では, 下図のように, 原子が隣の原子と くっつき合うように ぎっしりと詰まっている と考えると, 私達は原子の大きさを 推定することができます.


 のように 原子の半径を r cm としましょう. 1 cm の中には 1/(2r) 個の 原子が並び, 1 cm3体積の中には 1/(2r)3 個の 原子が詰まっているでしょう. その金属の密度をρ [g/cm3], 分子量 (金属の場合は原子量に等しい) A とするならば, A /ρ がその金属 1 モルの体積です. だから 1 原子の占める体積は, この 1 モルが占める体積を アボガドロ定数 NA で割ったものです. すなわち,


です.従って, 原子の半径は


と考えられます.
 いくつかの固体原子 について, 上式を使って 原子半径を 推定したものを 下の にあげておきます.

 この結果から, 原子の大きさは 数オングストローム(Å) であることがわかります. (1Å = 10 -8 cm = 10 -10 m).

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