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「ラザフォード散乱の角度分布」
上図 でわかるように,
入射したα 粒子の進路が
ターゲットの原子核に
近い(衝突パラメーター
b が小さい)
ときには軌道は大きく
屈折し,後ろの方へ散乱されます.
しかし b が大きく,
α 粒子が遠くを
通過するときには
軌道はあまり大きく
曲がりません.
実際のα 線の散乱の
実験においては,
左方から入射する
α 粒子の数は
場所によらず
ほぼ一定です.
つまり単位面積あたり,
単位時間あたりに
入射するα 粒子の個数
N
は一定であると考えて
さしつかえありません.
N が入射α 線の
強度 です.
これらたくさんの
α 粒子のうち,
ある角度の方向に
どのような割合で
散乱されるか
という,
散乱の割合を
角度分布
といいます.
厳密に言えば,
ある角度 θ の方向の
単位立体角の中に
単位時間内に散乱される
α 粒子の個数を
入射α 線の強度 N
で割り算した割合を
散乱の断面積
といい,
角度 θ の関数
σ(θ)
と表して
角度分布
と呼びます.
ラザフォード散乱の
角度分布 (断面積)
σ(θ) は,
1911年 ラザフォード
により
ニュートン力学に基づいて
求められました.
それは
次式のように表されます.
詳しい説明は
(2-5-A) のページ
にありますが,
難しいと思う方は
結果を信用してください.
上式の角度分布が
実験結果と極めてよく
一致することが示され,
ラザフォードの
有核原子模型の
正当性
が実証されました.
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