第2部目次
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2-3: 原子核の質量,結合エネルギー |
原子核は Z 個の陽子と
N 個の中性子とから
構成されています.
その原子核の質量 を
M (Z, N )
と表すことにしましょう.
原子核が単に陽子と中性子 の集まりであるならば, その質量 M (Z,N ) は 陽子の質量 の Z 倍と 中性子の質量 の N 倍 の和 となる筈です. しかし,原子核は単に 核子 (陽子と中性子) が 集まっただけではなく, それらが相互作用 (核力) で 強く結合しています. |
「原子核の質量欠損」
一般に,2つ以上の粒子が 相互作用して結合すると, 全体の質量は 元の粒子の質量の合計より 軽くなります. 結合が強ければ強いほど 質量は軽くなります. この質量の減少を 質量欠損 と呼びます. 陽子数 Z, 中性子数 N の原子核の 質量欠損 は, で定義されます. |
原子核の世界では,
通常扱う質量は極めて微小です.
そこで,原子核の世界では,
便利のため,しばしば
質量をエネルギーに換算 して
表します.
例えば,陽子の質量は であり, 極めて微小な値ですが, c の二乗を掛けて エネルギーに換算すれば となります. したがって, 陽子の質量は と表されます. このように, 原子核の世界では, 質量の単位 として, がよく使われます. |
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