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「結合エネルギー」
原子核内の複数の核子
(陽子と中性子) が
相互作用して結合すると,
質量欠損 が生じます.
質量欠損をエネルギーに
換算したものが
結合エネルギー です.
したがって,
結合エネルギー
B (Z, N ) は
と表されます.
つまり,
原子核の結合エネルギーは,
核子の結合の
強さの度合いを表し,
その値は原子核の質量
M (Z, N )
を測ることによって
得られます.
現在では個々の
原子核 (核種) の質量は,
質量分析器 などによって
精密に測定できます.
Z と N の
全ての範囲にわたって
原子核の質量を測って,
1核子あたりの結合エネルギーを
測定したものが
下図 に示されています.
この図から分かるように,
質量数が小さい原子核においては
値にばらつきがありますが,
質量数が 20 を超えると
1核子あたりの結合エネルギーは
大体一定で,
約 8 MeV となっています.
このように,原子核における
1核子あたりの結合エネルギーが
ほぼ一定であるという性質を,
結合エネルギーの
飽和性 といい,
原子核の著しい
特徴の一つです.
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